将来性
元々葬儀は地域共同体で行うもので、現在のようなサービスもなく、葬具の貸出や販売が葬儀社のスタートでした。戦後を迎え、地域共同体の結束が失われるにつれて、葬儀社は運営サポートを行う葬祭サービスへ転換。しかし、その頃のサービスと言っても他の業種と比べられるようなものではなかったのですが、90年代に入り、身だしなみやマナー教育が行われるようになり女性スタッフも急増しました。また不景気により他のサービス産業から人が流れてきたため、サービスに対する意識が高まり、現在では他のサービス産業より質の高い葬儀社も存在します。
そして迎えるは高齢化社会。競争は当然激化しますが、需要はますますウナギ登りです。先に歴史を述べましたが、葬儀業界はまだまだ成長段階と言えます。サービスの質が一級なものとなった今、よりサービス内容を工夫していくことも考えられます。だからこそ、多くの可能性を秘めていて、面白い業界と言えるでしょう。
葬儀というのは、前々から用意のできるようなものではないので、やはり専門の人に手を借りなければできません。しかも、なんだかんだと言っていても身内が亡くなった時に「適当でいいや」という人はなかなかいません。お世話になったから、大好きだから、素晴らしい人だから、ご遺族はそれに見合う式にしたいと思うものなのです。
心が折れそうな時だからこそ、人の優しさ・思いやりは相手の心に響くものです。実際に、妻の葬儀を担当してくれた人に自分の葬儀を担当してほしいという遺言を残された方もいたようです。一般的な営業とは違いますし、病院と同じで「また来てください」とは言えませんが、誠実に対応していくことで小さな種を植え続けるとお客様は増え、小さな喜びから大きな喜びを生むことができる、そんな仕事です。